タオ・フイ 前田耕平「つながりの方程式」京都芸術センター
2020.03.01-04.05
世界の人々の愛の声を採集する壮大な記録。プロジェクトは現在までに、オーストラリア(シドニー ART SPACE)、フランス(パリ)、京都(京都芸術センター)で行われ、世界各国でのパフォーマンスを目標として敢行される。(2020年度はアジア諸外国でのパフォーマンスと制作を予定)
助成:一般財団法人おおさか創造千島財団(2020年度創造活動助成 for U30 採択)
協力:京都芸術センター{アーティスト・イン・レジデンス プログラム:エクスチェンジ/ARTSPACE(シドニー)派遣}
騒音レベルを図る指標として、dB(デシベル)というものがある。昆虫の蝉の鳴き声は、最大120デシベルに到達すると言われる(群れの状態)。120デシベルとは飛行機のジェットエンジンに近づいた時の感覚に近い。人間にとっては単に騒音であるが、蝉にとっては全生命を振り絞った求愛の音である。あらゆるものが機械化され、手頃なサイズ感に進化してしまった今、人も同じく小さくまとまってしまったのかもしれない。多様性をうたう社会にあるのは、声を発しづらい雰囲気である。複雑な現代における人々の愛とはどんな形なのだろうか。今回のプロジェクトでは、作家前田耕平が蝉の求愛に基づいた合唱パフォーマンスを様々な都市の人々と敢行し、その音を採集する。これらの音はパフォーマンス参加者自身の愛の経験を声に変換したものである。パフォーマンスから見えてくる愛の形は果たして騒音(ノイズ)なのだろうか。
Photo(s) by Takuya Oshima, courtesy of Kyoto City University of Arts
写真:大島拓也 提供:京都市立芸術大学